家庭で使う電気の契約容量――それが「アンペア契約」です。特に40アンペア(40A)は、多くの一般家庭で採用されている標準的な契約容量ですが、使い方を間違えると「ブレーカーが落ちた!」「家電が同時に使えない…」といったトラブルにつながることもあります。
この記事では、40A契約を最大限に活かして快適な電力生活を送るために必要な情報を、わかりやすくまとめました。家電の消費電力の目安や、組み合わせ使用のコツ、ブレーカーが落ちる原因とその回避策、さらには電気代の節約術まで、日常生活に直結する実践的なポイントを網羅しています。
まずは基本を確認:40アンペア契約で何ができるのか?
40A契約とは、100ボルトの電圧で換算すると、最大で4000ワット(W)までの電気を同時に使用できる契約です。つまり、一度に4000Wを超えるとブレーカーが落ちる可能性があるため、どの家電をいつ使うかが非常に重要になります。
契約アンペア数 | 使用可能な最大電力(100V換算) |
---|---|
30A | 3000W |
40A | 4000W |
50A | 5000W |
60A | 6000W |
家庭内の家電とその消費電力:どれがどのくらい使うの?
電力を管理するには、まず家電ごとの消費電力を把握する必要があります。以下に一般的な家電の消費電力の目安と、それに対応するアンペア数をまとめました(100V電圧想定)。
家電製品 | 消費電力の目安(W) | 必要な電流(A) |
---|---|---|
エアコン(6畳用) | 500〜700W | 約5〜7A |
電子レンジ | 1000〜1300W | 約10〜13A |
ドライヤー | 1000〜1200W | 約10〜12A |
冷蔵庫(400L) | 150〜300W | 約1.5〜3A |
洗濯機 | 250〜500W | 約2.5〜5A |
テレビ(32型) | 約200W | 約2A |
炊飯器 | 700〜1100W | 約7〜11A |
実例で理解する:エアコンの同時使用は何台までOK?
1:エアコン3台を一斉に稼働させたい
仮に1台あたり600W(=6A)とした場合、3台で1800W(=18A)を消費します。残りは2200Wなので、まだ他の家電も併用可能です。
使用機器 | 消費電力 | 使用後の残容量 |
---|---|---|
エアコン×3 | 1800W | 2200W残り |
冷蔵庫 | 250W | 1950W残り |
テレビ | 200W | 1750W残り |
電子レンジ | 1200W | 550W残り |

→ このように工夫すれば、照明やスマートフォンの充電なども同時に使用可能。ただし、電子レンジやドライヤーはタイミングをずらして使うのが安全です。
2:エアコン2台を稼働させる場合
2台で合計1200W(=12A)。残り2800W(=28A)あるため、他の家電を余裕を持って同時に使うことができます。
ブレーカーが落ちる5つの理由とその対策
電気の使いすぎ以外にも、ブレーカーが落ちる原因は複数あります。
主な原因 | 解決方法 |
---|---|
高消費家電を同時に使いすぎ | 家電使用のタイミングを分ける |
回路ごとの上限(通常15A)を超過 | コンセントの分配、回路の見直し |
漏電やショートなどのトラブル | 定期的な点検とブレーカーの絶縁チェック |
ブレーカーの老朽化 | 電気工事業者に相談し、新品に交換 |
分電盤の回路分けが不十分 | 配線の見直し・回路の分散が必要 |
実践的な組み合わせ例:40Aでも安心な家電運用
以下は、40A契約でも快適に使える家電構成の一例です。
家電 | 消費電力 |
---|---|
エアコン×2 | 1400W |
冷蔵庫 | 250W |
テレビ | 200W |
電子レンジ | 1000W |
合計 | 2850W |

→ 残り約1150Wで、照明・PC・スマホ充電などが問題なく使用可能です。
契約アンペアの確認方法と変更のポイント
自宅の契約アンペア数を確認する方法は以下の通りです。
-
分電盤の主ブレーカーを見る
→「40A」などと書かれている数字を確認。東京電力では40Aは「灰色」で表示されることが多いです。 -
電気料金の明細書やWebマイページを確認
→ 「契約内容」の欄に「○○A契約」と明記されています。 -
電力会社に直接問い合わせる
→ 契約者名と住所を伝えれば、すぐに確認してもらえます。
アンペア契約と月額基本料金の関係
契約アンペア数によって、電力会社から請求される「基本料金」が異なります。
契約アンペア数 | 月額基本料金(東京電力) | 年間の料金目安 |
---|---|---|
30A | 約935円 | 約11,220円 |
40A | 約1,247円 | 約14,964円 |
50A | 約1,560円 | 約18,720円 |
→ 1段階アンペア数を下げるだけで、年間数千円の節約につながることも!
チェックリスト:節電と安全管理の基本
家電の使い方や契約内容を見直すだけで、節約・安全性アップの両立が可能です。
✅ 家電は同時使用せず、時間をずらして使う
✅ 高性能な省エネ家電を選ぶ(LED・インバーター式など)
✅ 契約アンペア数は定期的に見直す
✅ 配線・分電盤の老朽化チェックを行う
✅ 電力の集中を避けて回路を分散する
まとめ:40A契約は“使い方”次第で快適な暮らしを実現できる
40アンペアの契約は、正しい知識と工夫があれば、日常生活に十分対応できる容量です。エアコンや電子レンジなどの高消費家電も、タイミングや組み合わせを工夫すれば同時に使うことが可能です。
電気の使い方を見直すことで、ブレーカーのトラブルを避けられるだけでなく、電気代の節約にもつながります。今一度、ご家庭の家電と電気使用のバランスを見直して、よりスマートで快適な電力生活を目指してみませんか?