いつの間にか間違えてる！？見た目がそっくりな漢字の正体と、知らないと損する見分けのコツ

日々の生活の中で、スマートフォンやパソコンで文字を打つ機会はとても多いですよね。でも、その入力中に「ん？この漢字、どこかが違う気がする…」と思ったことはありませんか？特に、「今」などのごく身近な漢字に関して、「あれ、こんな字だったっけ？」と不思議に感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。

実は、私たちが普段何気なく使っている文字の中には、「字体（じたい）」や「異体字（いたいじ）」と呼ばれる、見た目は似ているけれど中身が異なる文字が数多く存在しているんです。しかも、ほんの少しの形の違いが、場面によっては大きな問題を引き起こすこともあります。

この記事では、身近な漢字「今」を題材に、似て非なる漢字たちの違いや、正しい使い方、そしてパソコンやWordでの便利な入力方法を詳しくご紹介します。「なんとなく気になっていたけどよく分からない」という方は、この機会にしっかりと理解しておくことをおすすめします。

そっくりだけど別物？──「今」という漢字に潜む二つの姿

まず最初に知っておきたいのは、「今」という字が一種類だけではない、という事実です。「いま」や「コン」と変換して出てくる「今」の中には、見た目がほとんど同じなのに、よく見ると部首やパーツの形が微妙に異なるものが存在します。

特に、下の部分が「テ」に似た形になっているものと、そうでないものとがあります。このような微細な違いは、「異体字」と呼ばれる分類に属しており、場合によってはまったく別の文字として扱われることもあるのです。

このように、たとえ意味や読みが同じでも、「書く」あるいは「表示する」場面によっては使い分けが必要になることがあります。

特に履歴書や契約書などの正式な書類では、間違った文字を使ってしまうと信用を損ねる恐れすらあるのです。

異体字の存在に気づいたものの、「どうやって入力したらいいの？」と戸惑う方も多いはず。そこで、以下にパソコンで異体字を正しく表示・入力するための4つの方法をご紹介します。

最も簡単で便利なのが「単語登録」。信頼できる辞書サイト（Wiktionaryなど）から該当の異体字をコピーして、IMEの「単語登録」機能で保存すれば、次回からは「いま」と打つだけで自動的にその文字が出せるようになります。

異体字は「環境依存文字」に分類されるため、初期設定のままだと候補に表示されないこともあります。そんなときは、IMEの設定で以下の手順を試してみてください。

操作手順：

やや上級者向けですが、WordなどのアプリではUnicodeを使って直接文字を入力することも可能です。たとえば、「今」の異体字に対応するコード「2B746」を入力し、Alt + Xキーを押すと、その文字が表示されます。

フォントサイズが小さいと、異体字の違いに気づけないこともしばしば。

文字の違いを正確に把握するには、画面を拡大したり、印刷して比べたりするのが効果的です。